第三世界の経済 5
第二次大戦後の脱植民地化の過程において興隆をきわめた第三世界のナショナリズムは、この先進国の近代化の流れに範をとったといえます。
しかし現在、これらの低開発国は、従来のナショナリズムにすがっていたのでは近代化できないという大きな壁につきあたっています。
ここにおいて、TBN(国際統合)への動きが大きな意味をもってくるのです。
従来の近代化は、国内市場を単位とした近代化でした。
イギリスにせよ、フランスにせよ、近代化とは、それぞれの国内に金融サービス業から、鉄鋼業、化学工業、紡績工業、各種のサービス産業などをワンセット完備することでした。
明治以降の日本の近代化のコースはその典型的な例です。
そして日本の市場は、それらの産業を充分に成り立たせるだけの広さをもっていたのです。
しかし、これからの近代化は、そのように一国内に、自前の産業をすべて完備するという方向には向かわないでしょう。
ブラジルや中国のように、広大な国土と人工を抱える国家なら、巨大な市場の可能性もあり、ある程度は可能かもしれません。
しかし、ニカラグアとかエルサルバドルとか、・コロンビアなどといった国々が、ことごとく鉄鋼業から、自動車産業、造船業、コンピュータ産業などを保有することなどナンセンスでしょう。