第三世界の経済 2
現在のヨハネ・パウロ2世の言動を分析すると、21世紀に向けたバチカンの戦略が明らかに第三世界を視野に入れたものであることがわかります。
先進国におけるカトリック教徒の信者数は漸減傾向にあり、バチカンとしては新たな活力の源泉を第三世界におけるカトリック教の布教に見出しているのです。
カトリックは欧米先進国とラテン・アメリカを中心とする第三世界にまたがった宗教。
欧米中心のプロテスタンティズムとは、その性格を著しく異にするものです。
たしかに中絶問題などの道徳問題においてはいまだに保守的ではありますが、第三世界問題においては、従来の「カトリックー=保守」という常識は、もはや当てはまらないでしょう。
ヨハネ・パウロ2世はアジア、アフリカ、ラテン・アメリカを広く訪問し、飢餓、人権、経済発展などの問題に積極的な発言を続けています。
また、カトリック教会内においては、親第三世界的な急進分子(マリノール修道会)をおさえる一方で、頑迷な反第三世界保守派を説得して、その統一を保つことに努力しているのです。